BLOG: 異文化理解の羅針盤「ホフステードの6次元モデル」とは?

「海外のパートナーと話が噛み合わない」
「新しい組織に変わってから、会議の進め方に違和感がある」

ビジネスの現場で直面するこうした摩擦の多くは、個人の性格のせいではなく、その背後にある「組織文化」や「異文化」のズレから生まれています。

しかし、目に見えない「文化」をどう捉えればいいのでしょうか。 その有力なヒントを与えてくれるのが、世界で最も活用されている文化分析の枠組み、「ホフステードの6次元モデル」です。

文化は「心のプログラミング」の一つ

このモデルの提唱者であるヘールト・ホフステード博士は、文化を「ある集団と他の集団を区別する、心の共同プログラミング」と定義しました。私たちは成長する過程で、知らず知らずのうちに、特定の価値観を「当たり前」としてインストールしているのです。例えば、「石橋を叩いて渡る」、「継続は力なり」、「為せば成る」といった日本的価値観は、他の文化圏では必ずしも「当たり前」ではありません。

博士はこの「当たり前」の違いを、統計的なデータに基づき以下の6つの次元で説明するモデルを考案し、国ごとの特徴を数値化しました。


日本的価値観の例として挙げた上述の慣用句/表現を6次元モデルに当てはめると、日本の文化的特徴が現れていることが分かります。

「石橋を叩いて渡る」:不確実性の回避
「継続は力なり」:長期志向
「為せば成る」:達成志向

なぜビジネスに「6つの次元」が必要なのか

これまで、企業文化の改革やグローバルマネジメントは、リーダーの経験や勘に頼ることが少なくありませんでした。

しかし、ホフステードのモデルを使って自社の組織文化を数値的に客観視することで、「なぜこのチームは意思決定が遅いのか」「なぜこの施策は現場に浸透しないのか」「どうして上司や先輩に反対するんだ」という問いに対する、論理的な答えが見えてきます。もっと言えば、異なる文化的背景を持つ相手の「言動の裏側」にある前提・価値観・常識・ロジックが見えてきます。そうした「言動の裏側」を理解することは、相手の力を引き出し、ビジネス上の成果を生むうえで必要な要素と言えます。

文化に「良い・悪い」はありません。あるのは「違い」だけです。 その違いを「構造」として理解することが、多様なメンバーと成果を出すための知性、すなわちCQ(文化知性)を育てる第一歩となります。

このブログでは今後、この6つの次元が具体的にどのようにビジネスの現場に影響を与えるのか、一つずつ紐解いていきます。

まずは、あなた自身がどのような「心のプログラム」を持っているのか。 その眼鏡の存在を知ることで、これまでとは違う景色が見えてくるはずです。

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