BLOG:「大切にするもの」が噛み合わない異文化摩擦

「あなたが仕事で一番大切にしていることは何ですか」
この質問への答えは、人によって大きく異なります。その違いの背後には、企業文化が無意識に植えつけた「大切にするものの定義」があります。異文化環境でのすれ違いは、しばしばここから生まれています。

「勝つこと」を美徳とする企業文化と、「整えること」を美徳とする企業文化


ホフステードの6次元モデルには、「達成志向(男性性)vs 生活の質志向(女性性)」という次元があります。達成志向の強い企業文化では、競争に勝つこと・成果を上げること・野心的であることが美徳とされます。目標達成や昇進への意欲が高く評価され、業績が人の価値を示す指標になります。

一方、生活の質志向の強い企業文化では、協調すること・チームをケアすること・ワークライフバランスを整えることが重視されます。こうした文化では「頑張りすぎること」がむしろ懸念の対象になり、調和や持続可能性が評価軸の中心に置かれます。

「なぜあの人は競争を楽しんでいるのか」「なぜあの人は本気を出さないのか」


この2つの企業文化が混在する職場では、互いの行動が奇妙に映ります。達成志向の強い側からすれば、「なぜもっと上を目指さないのか」「やる気がないのでは」と感じます。逆に生活の質志向の強い側からは、「なぜそこまで競い合うのか」「チームの雰囲気が壊れる」と見えます。

この摩擦は能力や人格の問題ではありません。「仕事で何を大切にするか」という価値観の違い、すなわち異文化摩擦の一形態です。どちらが正しいのではなく、それぞれの企業文化の中で培われた、異なる合理性があります。

「大切にするもの」の多様な形を組織の強みへ


異文化間での協働を機能させるためには、自分たちの企業文化が前提にしている「大切にするもの」を言語化することが出発点です。「うちの組織は仕事において何を大切にしているか」を問い直すことで、異なる価値観を持つメンバーとの対話が始まります。

Lincqordでは、ホフステードの6次元モデルを活用した組織文化の診断を通じて、チームが持つ「暗黙の評価軸」を可視化する支援を行っています。「大切にするもの」を問い直すところから、一緒に始めてみませんか。

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